HACCPはHazard・Analysis・Critical・Control・Pointの頭文字をとった略称で、日本語ではそのまま危害分析重要管理点と直訳されています。
HACCPは食品を安全に製造する管理手法の事で、元々はアメリカの宇宙食の安全性を確保するために1960年代に考えられました。食中毒の一つでも命を落としかねない宇宙空間に人間を送り込もうとするアポロ計画の中で、安全な宇宙食を開発する事も重要な問題だったのです。日本でもそうですが、世界的にも食品を製造し、安全性を確かめるのには最終工程での抜き取り検査が一般的です。出荷前にランダムに抜き取り問題がなければ出荷をし、機械の小さな部品等の異物が混入していた場合には、前後の製品を破棄して消費者の元へ行き渡ることがないようにされています。その為、すり抜けて出荷されてしまうこともないとは言えませんでした。
HACCPは最終工程だけでなく、各工程段階でどのような危険があるか分析して、問題が起こりそうな場所を重点的に管理していく手法です。材料を仕入れ、調理の工程の煮沸温度等の製造工程に分けてチェックをしていきます。この手法を取り入れる事で食品を製造する上で安全性は一段と確保されやすくなり、今ではアメリカだけでなく世界的にも拡がっています。日本でも2018年の6月に改正食品衛生法が衆議院で可決され、食品の製造や加工、調理等を扱う全ての事業者を対象に義務化される事となっています。