HACCPは食品に潜む危険を科学的に分析し、それを除去したり、できる限り害のない状態にする工程を常に管理し、記録する方法のことです。
食品製造中にどれだけの時間をどのくらいの温度で加熱すれば、感染症や食中毒の原因となる病原体を減らすことができ、安全に食べられるようになるのかを科学的に分析し、その結果を記録していきます。これにより高いレベルで食品の安全を管理することができます。HACCPは1971年にアメリカで公開されたもので、もともと宇宙食の安全を確保するための方法だったものを、食品の安全性を管理できるように応用されました。
この方法には、HACCPチームを編成し、賞味期限や流通形態など食品の説明や記述することや、製品の使用方法を確認、製造工程一覧図の作成と現場での検証を行うなどの12の手順と7つの原則があります。缶詰や魚介類、ジュース、食肉など特定の食品を扱う企業で義務化されていて、効率のいい管理が利益につながるなど、一定の効果があがっています。
また日本では、厚生労働省の認証制度である総合衛生管理製造過程にHACCPの考え方を取り入れています。しかし、総合衛生管理製造過程では危害リストを固定しそれを危害要因としたり、また安全性のみならず品質も危害要因としているなどの異なる部分があります。さらに一般衛生管理といわれるHACCPの前段階的な部分も含まれているので、より複雑なものになっています。